山手線が突如運転を見合わせる際、利用者が真っ先に求めるのは「なぜ止まったのか」という理由と「いつ動き出すのか」という再開の目処です。JR東日本が発表する運行情報のリアルタイムデータや現場アナウンスを精査すると、運転見合わせの背景には大きく分けて3つの主要因が存在します。
第一に挙げられるのが人身事故の発生です。駅構内アナウンスで「お客様と列車の接触」と表現される事態が発生した場合、警察による現場検証や消防隊による救助活動、さらには車両および線路設備の安全確認が義務付けられています。このプロセスを省略することは法律上許されないため、発生から運転再開まではどんなに迅速に対応しても約60分から80分程度の時間を要するのが通例です。
第二の要因は、信号関係や車両の故障・点検トラブルです。山手線のような超過密ダイヤでは、わずか1基の信号トラブルやドアの異物挟まりによる安全装置の作動が、後続列車すべての運行停止に直結します。機器点検の場合は状況の確認が取れ次第、早ければ20〜30分程度で再開するケースもありますが、基幹システムのトラブルとなると数時間に及ぶ大規模な遅延へ発展することも珍しくありません。
第三の要因として見落とせないのが、線路内立ち入りや防護無線の発報です。沿線で異常を感じた運転士が防護無線を発報すると、半径約1キロメートルから2キロメートル圏内を走るすべての列車に緊急停止信号が送られます。この場合、内回り・外回りの双方に影響が波及し、安全確認が完了するまでの間、全線で運転見合わせの措置が取られます。