港町で代々漁を営む老漁師は、網を繕いながら眩しそうに海を見つめる。「若い人たちがカメラを持って島を歩いているのを見ると、何だか嬉しくなってね。海は昔から変わらんが、新しい風が入ってくるのはいいことだ」。そんな何気ない一言に、山口県周防大島町の懐の深さが滲み出る。
UターンやIターンで移住してきた若者たちが経営するオーガニックカフェやゲストハウスでは、夜な夜な旅行者と地元の住民がグラスを交わす。歴史と現代、都市と地方、異なるバックグラウンドを持つ人々が自然体で交差する時間。それこそが、この島が放つ一番の磁力かもしれない。