1991年の山本七平の逝去後、その偉業と思想を継承・発展させる目的で創設されたのが「山本七平賞」(PHP研究所主催)です。日本の伝統・文化・社会、あるいは広く国際関係や文明論をテーマにした優れた著作・学術論文を対象に、毎年選考が行われています。
これまでの受賞作には、長谷川慶太郎『さよならアジア』、福田和也『日本の家郷』、会田弘継『追跡・アメリカの保守思想』など、論壇に大きな影響を与えた名著がずらりと並びます。政治・経済から歴史・文化まで、受賞作はいずれも通俗的な議論に流されない独自の複眼的な分析軸を確立した作品ばかりです。
山本七平賞の存在は、単なる賞にとどまらず、「実証的な事実と深い洞察によって日本人の現在地を測る」という知の系譜を維持するプラットフォームとして、今なお重要な役割を果たしています。