2026年現在の最新モニタリング調査によると、日本国内の寒冷地や高山帯を好む青い蝶の生息域は、平均して標高の高い方へとシフトし続けている。地球温暖化による気温上昇と、過疎化に伴う里山環境の荒廃が主な要因だ。かつては初夏の高原を埋め尽くしていた希少シジミチョウ類の個体数は、過去10年で著しい減少傾向を示している地域も少なくない。
日本昆虫学会や国立科学博物館の研究者らは、気候変動シナリオに基づく生息シミュレーションを公表し、危機感を募らせている。幼虫が特定の植物しか食べない単食性の種ほど、植生のわずかな変化で地域絶滅へと追い込まれやすい。幸運を呼ぶ神秘のシンボルとして愛でるだけでなく、彼らが発している警鐘に耳を傾けるべき時が来ている。