映画『機動戦士ガンダムF91』が劇場公開された1991年春。激動のSFロボットアニメ界において、本作は新たなる「ガンダムシリーズ」の幕開けを告げる一大プロジェクトだった。監督の富野由悠季氏が求めたのは、激しい戦火の果てに訪れる静寂と、人間の慈愛を表現できる圧倒的な歌唱力だった。
そこで白羽の矢が立ったのが、当時ポップス歌手としてだけでなくバラエティ界でも異彩を放っていた森口博子だ。デビュー曲『水の星へ愛をこめて』から6年。成長を遂げた彼女の澄み渡る伸びやかな高音は、映画のクライマックスシーンと完璧に共鳴し、観客の涙を誘った。