J-POPのメインストリームにおいて、ピアノというクラシカルな楽器をここまで攻撃的、かつ幻想的に響かせたバンドが他にいただろうか。トイズファクトリーから世に送り出された楽曲の数々は、彼女の緻密な編曲によって命を吹き込まれてきた。単なる伴奏ではない。クラシック音楽の強固な基礎に支えられた打鍵は、ストリングスと電子音が交錯する重厚なサウンドスケープの中で、時に主役として咆哮し、時に影のようにアンサンブルを支える。
ポップスはもっと自由でいい。その思想が、彼女の鍵盤から溢れ出る。複雑な和声進行をポップな手触りへ昇華させる技術は、日本の音楽業界におけるキーボードプレイヤーの地位を一段高い場所へと押し上げた。