本作の誕生プロセスには、メンバーそれぞれの生々しい感情が克明に刻まれています。作曲を担当したSaoriは、震災当日の夜、計画停電による暗闇と余震の恐怖が渦巻く中、吸い寄せられるようにピアノの前に座り、あふれ出る感情を鍵盤にぶつけるようにしてメロディを紡ぎ出しました。クラシック音楽の素養を持つ彼女ならではの、切なくも凛とした美しい旋律は、こうして誕生したのです。
一方、作詞を担当したFukaseは、かつてないほどの産みの苦しみを味わうことになります。世間が復興に向けた前向きなスローガンで溢れかえる中、「軽々しい希望や無責任な励ましの言葉は絶対に書きたくない」という強い意志を持っていました。被災地に直接駆けつけることもできない無力感、命の重さに対する恐怖、そして自分自身の偽らざる感情をどう言葉に落とし込むのか。部屋に閉じこもり、何度も歌詞を書き直しながら極限まで自己と対話した末に、あの胸を締め付けるリリックが完成しました。