渋谷駅周辺では高層ビルの建設が加速し、街の風景は目まぐるしく均一化されている。資本の波が飲み込んでいく巨大都市のなかで、神山町を中心とする「奥渋」エリアは独自の生態系を守り続けてきた。その中心的なアンカーとして機能しているのが、この独立系書店だ。
チェーン店にはない、個人の偏愛やこだわりが色濃く反映された空間。周辺に点在するコーヒーショップやギャラリー、器の店と緩やかにつながりながら、街全体に文化的な深みを提供している。大規模商業施設には出せない「人間臭さ」が、都市の喧騒に疲れた大人たちの確かな隠れ家となっている。