チューハイの原点を辿ると、戦後間もない東京の下町酒場に行き着く。当時は質の良いお酒が手に入りにくく、クセの強い焼酎を少しでも飲みやすくしようと、屋台や大衆酒場の店主たちが炭酸水やエキスで割ったことが始まりとされる。これこそが元祖「焼酎ハイボール」の誕生である。
この泥臭くも温かみのある酒場文化は、酒場詩人の吉田類氏が各地の暖簾をくぐる人気番組などを通じて、今なお多くの酒好きを魅了してやまない。レトロなグラスに注がれた黄金色の焼酎ハイボールは、下町の情緒そのものだ。
さらに近年では、テレビ東京系のドラマ『晩酌の流儀』に代表されるように、自宅でいかに最高の一杯を楽しむかという「おうち飲み」の美学が空前のブームを呼んでいる。昭和の居酒屋で愛された味が、令和の時代には洗練された缶チューハイとして形を変え、自宅のリビングで手軽に嗜む至福のひとときへと昇華しているのだ。