焼き魚を崩さずスマートに食べるためには、箸をつける前の「最初の下準備」がすべてを左右します。焼き立ての秋刀魚が運ばれてきた際、いきなり身をむしるように箸を入れるのは、身がバラバラになる最大の原因です。
プロの料理人も認めるさんまの骨の取り方裏ワザは、食べる前に魚全体を軽く「マッサージ」することにあります。まず、箸を寝かせて魚の中央(中骨の上あたり)を頭から尾にかけて軽くトントンと数回優しく押さえます。次に、背びれと腹びれに沿って箸先でスッと浅い切れ目を1本入れておきます。このわずか数秒の手間によって、熱で凝固した身と中骨の間に空気が入り、結合が劇的に緩みます。
続いて尾の付け根を箸で軽く折り、頭の付け根に箸を入れて中骨を少し浮かせてから、頭側を持ってゆっくりと引き上げると、中骨が小骨ごと抵抗なくスルッと一本まるごと外れます。この焼き魚をきれいに食べるコツさえ押さえておけば、身を細かく探りながら食べるストレスから完全に解放されます。