三上博史の異能とも言える演技力の原点を辿ると、10代半ばでの衝撃的なデビューに行き着く。演劇界の鬼才・寺山修司に見出され、映画『草迷宮』で主演に抜擢された経験が、彼の表現者としてのDNAに深く刻み込まれている。前衛的かつ叙情的なアングラ文化の洗礼を受けたことが、彼の演技に他者には真似できない深みを与えているのだ。
現在、彼が最も力を注いでいる舞台演劇の現場では、その圧倒的な存在感が解き放たれている。劇場という閉ざされた空間で、客席の呼吸すら支配するような緊迫感を生み出す演技は、舞台関係者や劇評家から「神がかっている」と絶賛される。生の舞台でしか味わえない狂気と情念の表現こそ、彼の真骨頂である。