家庭を守る主婦としての顔とともに、百恵さんが長年情熱を傾けてきたのがキルト作家としての活動です。キルトの第一人者である鷲沢玲子氏に師事し、30年以上にわたって一針一針縫い進めてきた作品は、プロの工芸家からも極めて高く評価されています。
かつて開催されていた『東京国際キルトフェスティバル』などにも「三浦百恵」の本名で大作を出展し、来場者を魅了してきました。還暦を迎えた節目に出版されたキルト作品集『時間の花束 Bouquet du temps』は、発売直後から異例のベストセラーを記録。作品に添えられたエッセイでは、家族への感謝や針を持つ静寂の時間の尊さが瑞々しい言葉で綴られ、大きな反響を呼びました。
芸能界という華やかなスポットライトから離れた百恵さんが見出した、針と糸で紡ぐ創造の世界。そこには虚飾を捨て、自分の心と誠実に向き合い続ける芸術家としての真摯な横顔が息づいています。