1990年代後半、公の場や画面に現れる三浦洋一の姿は、誰もが息を呑むほど痩せ細っていた。その輪郭の変貌の裏にあったのは、残酷にも進行していた食道癌だった。発覚した当時、病状はすでに深刻な段階に達していたが、本人は撮影現場に穴を開けることを頑なに拒み続けたという。
「役者は舞台やカメラの前で倒れるべきもの」という、昭和の無頼派を地で行くような美学。彼は周囲の過剰な心配を嫌い、体調の異変を病気ではなく徹底した自己管理の結果であるかのように振る舞った。激しい痛みを鎮痛剤で抑え込みながらセットに立ち、照明が当たれば普段と変わらぬドスの利いた声を響かせる。激やせの真実とは、病魔に屈した姿ではなく、肉体の限界を精神の力でねじ伏せようとした凄まじい闘争の証だった。