フィギュアスケートのペア競技は、氷上の格闘技とも称されるほど過酷だ。パートナーの手から数メートル跳躍し、着氷する。その衝撃とリスクはソロ競技の比ではない。三浦璃来を襲った脱臼や肩の負傷は、一時は選手生命をも脅かすほどの重症だった。氷に乗れない日々。リハビリ室で筋力トレーニングを黙々と繰り返す孤独な時間。だが、彼女の瞳から光が消えることは一度たりともなかった。
氷上に戻った彼女が見せた動きは、怪我の前よりも力強く、そしてしなやかだった。リハビリ期間中に徹底的に鍛え上げられた体幹と体組成の変化は、彼女の動作にさらなるスピードと軸のブレなさをもたらした。「戻るだけでは意味がない。以前より強くなってリンクに立つ」。その言葉通りの復活劇に、世界のスケート関係者は息をのんだ。