2026年、日本の企業序列を塗り替える決定打となったのは、東京証券取引所による政策保有株ゼロへの強硬な要請だった。かつてグループ企業同士を強固に結びつけていた株式の網の目は、急速に解きほぐされつつある。しかし、資本関係が希薄化したからといって影響力が消え失せたわけではない。むしろ実質的な支配力は、エネルギー転換や次世代半導体といった国家級プロジェクトへの共同出資という形で、より高度に再編されている。
現在の力関係において、頭一つ抜け出しているのが三菱グループだ。脱炭素インフラや防衛産業における圧倒的な官民パイプを背景に、強固な収益基盤を固めている。対する三井グループは、機動的な海外投資と不動産・都市再開発を武器に利益率で肉薄。住友グループは素材・非鉄・重化学の盤石な技術力をテコに、独自の防衛線を張る。表向きは紳士協定を結びながらも、海外の大型資源権益やサプライチェーンの主導権を巡り、水面下では容赦のない奪い合いが繰り広げられている。