三菱の組織力と多角化を完成させた4代当主・岩崎小弥太には実子がいなかったため、後継者として久弥の長男・岩崎彦弥太(ひこやた)氏の系統や養子縁組を通じた親族が一族の絆を支えました。小弥太が残した最大の足跡の一つが、世界的東洋学研究拠点である公益財団法人「東洋文庫」の創設です。
小弥太は莫大な私財を投じて世界的コレクション「モリソン文庫」を一括購入し、日本のアジア研究の基盤を築きました。この東洋文庫や、岩崎久弥が創業に関わった岩手県の「小岩井農場」は、単なる私有財産ではなく、日本の貴重な文化・産業インフラとして現在も存続しています。
小岩井農場は現在も質の高い酪農・観光事業を展開しており、岩崎家が明治・大正期に目指した「国を富ませる実業」の精神が、文化施設や農林業の現場において今なお息づいています。