三代目 J SOUL BROTHERSが社会現象となり、年間数十本に及ぶドームツアーや過密なテレビ出演をこなしていた2010年代半ばから後半にかけて、ファンの間では「今市隆二の歌声に変化が起きているのではないか」「喉を痛めているのではないか」という懸念が囁かれた時期がありました。
実際に、連日のフルパワー歌唱と極度の疲労蓄積により、一時期は声帯のコントロールに苦慮していたことが後のドキュメンタリーやインタビューで明かされています。生まれ持ったハイトーンと天性のハスキーボイスに頼る歌唱スタイルは、過密日程の中で喉に過度の負担を強いていました。
しかし、そこで立ち止まらなかったのが彼の真骨頂です。発声メカニズムを基礎から見直す医療的アプローチと、国内外のトップボイストレーナーによるマンツーマン指導を導入。従来の地声押し出し型から、共鳴腔を最大限に生かしたミックスボイスの習得へと舵を切りました。
この血のにじむようなボイストレーニングの成果は、近年のソロ楽曲やアコースティックライブで如実に証明されています。高音域の突き抜けるような鋭さに加え、中低音域の豊かな倍音成分とシルキーなファルセットが加わったことで、R&Bシンガーとしての表現力はデビュー当時を遥かに凌駕する次元へと到達しています。