長身に無精髭、どこか世捨て人のような気だるい雰囲気を漂わせる陣内侘助の年齢は41歳。ヒロイン・篠原夏希からは「侘助おじさん」と慕われていますが、陣内家の複雑な家系図を紐解くと、彼の立ち位置は極めて特殊であることが分かります。
侘助は陣内家の正統な血筋ではなく、当主である陣内栄の亡き夫・徳衛が外で作った「おばあちゃんの夫の隠し子」です。実母を亡くした幼い侘助を、栄は一切の差別をすることなく自らの屋敷に引き取り、我が子同然の深い愛情を注いで育て上げました。系図上の世代としては夏希の祖父世代(栄の子供たち)と同列になるため、夏希にとって侘助は戸籍上「大叔父」にあたる間柄です。
しかし、本家の親族一同からは「愛人の子」「得体の知れない居候」として冷遇の目を向けられることも少なくありませんでした。血縁のしがらみが強い名門・陣内家の中で、侘助は幼少期から「自分はこの家にいていい存在なのか」という根深い疎外感を抱えながら成長していったのです。