日本国内のみならず、海外のスポーツファンに「あの鳥は何か」と問われた際、最も明快な答えとなるのが日本サッカー協会(JFA)のシンボルマークだ。鮮やかな黄色の背景に日章旗を抱え、前を見据えてボールを捉える漆黒の八咫烏。
このデザインが導入されたのは1931年のこと。東京高等師範学校(現在の筑波大学)の漢文学者・内野台嶺らの発案によるものだ。近代サッカーの発祥国であるイングランドの「3つのライオン」に対抗し、日本の伝統と独自性を世界に提示するためのモチーフとして、神話の「勝利へ導く神鳥」が抜擢された。ボールを巧みに操る「三本目の足」は、ピッチ上の選手たちに勇気と正確なパスワークをもたらす守護者として、90年以上の時を超えて代表チームのユニフォームに刻まれ続けている。