ランプ肉は上質な赤身であるがゆえに、火を通しすぎるとパサつきや硬さが出やすい繊細な肉でもあります。家庭のフライパンで極上の柔らかさを引き出すには、科学的なアプローチに基づく「余熱調理」が不可欠です。
調理前の下処理として、冷蔵庫から出して常温に20〜30分置くことが最大のポイントです。冷たいまま加熱すると表面だけが焦げて中心部が生焼けになり、急激な温度差で繊維が縮んで硬化してしまいます。厚みがある場合は、肉の繊維に対して直角に浅く隠し包丁を入れておくと、より一層柔らかく仕上がります。
フライパンを強火でしっかり熱し、油を引いたら表面を約1分、香ばしい焼き色がつくまで焼き固めます。裏返して弱火にし、さらに1分ほど焼いたら火を止めます。ここですぐに切らず、二重にしたアルミホイルで肉を包み、焼いた時間と同等の約5分間休ませるのが鉄則です。肉汁が全体へ均一に行き渡り、中心部が美しいロゼ色に仕上がります。