2000年代前半、若槻千夏はテレビで見ない日がないほどの超多忙なスケジュールを駆け抜けていました。『めちゃ×2イケてるッ!』や『笑っていいとも!』をはじめとする看板バラエティ番組にレギュラー・準レギュラーとして出演し、「おバカキャラ」としての愛嬌と、芸人顔負けの鋭い返しや瞬発力でバラエティ当時のトップランナーへと上り詰めます。
しかし、その華々しい活躍の裏で、心身のバランスは限界に達していました。2006年後半から2007年にかけて、彼女は突如として芸能活動の休養を発表します。当時、一部のゴシップ誌では様々な憶測が飛び交いましたが、実際の芸能界休養の理由は過度の過労からくる神経性胃炎などの健康問題と、激しいプレッシャーによるバーンアウト(燃え尽き症候群)でした。
後に本人がテレビ番組やエッセイで明かしたところによると、当時は「テレビで求められる明るい若槻千夏」と「本来の自分」との乖離に苦しみ、毎日収録が終わるたびに強い自己嫌悪に陥っていたといいます。自分の言葉や存在が消費されていく恐怖感に直面した彼女は、あえて人気絶頂のポジションを手放し、自らの足で立つための「海外渡航と学びの充電期間」を選択したのです。