公判の過程や週刊誌報道(『Fridayデジタル』など)で明るみに出た幹部の獄中証言は、グループ内部の異様な狂気を物語っています。法廷に証人として出廷した関係者や小島被告の供述によれば、組織の統制を保っていたのは強固な結束ではなく、純然たる「暴力と恐怖」でした。
「金をネコババしたヤツの腕を切り落とせ」「裏切ったら実家の家族を皆殺しにする」。フィリピンの収容所内から、こうした戦慄すべき恫喝が日常的に飛び交っていました。グループはテレグラム犯罪手口を極限まで悪用し、メッセージの自動消滅機能(タイマー機能)を設定した「シークレットチャット」を使用。指示役は自らの痕跡を消し去る一方で、実行役には犯行の全行程を通話状態にしたまま報告させ、監視下に置き続けました。
しかし、その鉄の結束も資金繰りの悪化とともに脆くも瓦解します。法廷で明かされた証言によると、幹部間では「藤田被告が今村被告の特殊詐欺ビジネスをすべて奪おうとしていた」といった激しい主導権争いが勃発。取り分の配分をめぐって疑心暗鬼が広がり、最終的には身内の密告や裏切りによって組織は内部から自壊していきました。冷徹な犯罪シンジケートの実態は、刹那的な金銭欲と恐怖によって繋ぎ止められていた砂上の楼閣に過ぎなかったのです。