小児科や皮膚科の現場では、保護者が「赤ちゃんの肌を思って実践したケア」が仇となり、症状を急速に悪化させてしまった症例が後を絶ちません。育児コミュニティやSNS上での体験談を分析すると、共通する典型的なケアの誤謬が浮かび上がってきます。
最も多い失敗例が、「赤ちゃんの肌はデリケートだから、石鹸を使わずにお湯だけで洗う」という洗浄不足による悪化です。皮脂分泌が旺盛な生後1〜2ヶ月の時期にぬるま湯だけで済ませると、酸化した皮脂や付着した埃、真菌を洗い流すことができず、脂漏性湿疹が急速に重症化します。「皮膚科医から『まず石鹸でしっかり洗ってください』と指導され、洗顔料を使ったところ数日で黄色いかさぶたが取れて驚いた」という声は臨床現場でも日常茶飯事です。
次に挙げられるのが、植物性オイルや過度な無添加アイテムの乱用です。「天然成分100%」「オーガニック」と謳われるオリーブオイルや馬油などを湿疹部位に塗り広げた結果、オイル自体が真菌(マラセチア)の栄養源となって炎症を爆発させたり、未精製の植物タンパクが傷ついた角層から侵入してアレルギーの原因を作ってしまうケースがあります。赤ちゃんの肌トラブルに対しては、食品由来成分を含む未精製油ではなく、医薬品グレードでアレルギーリスクの極めて低い高純度ワセリン(プロペトなど)を選択することが医療現場の共通認識です。