作詞家としての詩情も、彼の唯一無二の武器だ。寺山修司やボブ・ディラン、あるいは寺山以前の無名の大衆文学までをも飲み込んだような彼の言葉選びは、懐古主義の枠を完全に超えている。古き良きものの残り香を漂わせながら、到達する地点は誰も見たことのない未来だ。
「愛」や「孤独」といった使い古されたテーマも、彼の筆にかかれば妖艶な光を放ち始める。都市の路地裏に転がる傷だらけの感情を、洗練されたポップソングの皮をかぶせて提示する手腕。リスナーは彼の歌詞を追ううちに、いつの間にか自分自身の隠していた感情の暗部に触れさせることになる。