なぜ彼らは190kg超というバカげたパワーを出せるのか。最新のスポーツ科学はその秘密を解き明かしつつある。鍵を握るのは、前腕屈筋群の太さだけではない。指を曲げる「深指屈筋」と「浅指屈筋」の肌理細かい神経伝達、そして骨と筋肉を繋ぐ腱の異様な密度の高さだ。
極限の握力を手に入れるための筋力トレーニングは、一般的なジムで行われるメニューとは一線を画す。太さ50mm以上の極太バーを使ったデッドリフトや、ピンチ力を強烈に刺激する厚みのあるプレート保持、さらには超高重量のハンドグリッパーを用いたネガティブトレーニング(高負荷をかけて耐えながら開く鍛錬)が不可欠だ。過酷な負荷に耐えうる頑丈な関節と強靭な中枢神経系を構築することこそが、王者の領域へ至る唯一の道である。