りんごが放出する「エチレンガス」は、植物の成長や成熟を促すガス状の植物ホルモンです。この性質を正しく理解していないと、冷蔵庫内の野菜全滅という悲劇が起こります。
エチレンガスの影響を強く受けて劣化する代表的な食品には、以下のようなものがあります。
- ほうれん草・小松菜・レタス:葉の黄変が加速し、数日でドロドロに溶ける原因になります。
- きゅうり・ナス:果肉の軟化やすが入る原因となり、苦味が増加します。
- バナナ・キウイ・アボカド:過追熟が急速に進み、あっという間に真っ黒になります。
一方で、この強力なエチレンガスは「追熟促進」や「発芽抑制」という裏ワザに逆利用することが可能です。例えば、まだ固くて酸っぱいキウイフルーツや緑色のアボカドをりんごと一緒にポリ袋へ入れて2〜3日常温に置くと、あっという間に食べ頃まで柔らかくなります。また、じゃがいもの袋にりんごを1個同居させると、エチレンの働きによってじゃがいもの芽が出るのを強力に抑制できるという農業工学的な実証データもあります。