世間を熱狂させたビッグカップルが、なぜわずか2年あまりで破綻を迎えてしまったのか。当時、一部の写真週刊誌や夕刊紙は「夜の街での交遊」や「性格の不一致」などセンセーショナルな見出しを打ち立てましたが、取材記録を丹念に紐解くと、より本質的な「文化的背景」と「生活リズムの深刻な乖離」が浮かび上がってきます。
第1の要因は、職人気質のトップスタイリストと乳幼児を抱える母親との生活サイクルの衝突です。BUN氏は当時、CM・雑誌・ライブツアーと引っ張りだこで、深夜の衣装集めや早朝ロケ、関係者との夜間の会食が日常化していました。一方で、ラスベガス出身で家族の親密な時間を最優先するアメリカの家庭文化で育ったリア・ディゾンにとって、夫が毎晩のように家を空ける生活スタイルは強い孤独感を生む原因となりました。
第2の要因は、子育ての教育方針とキャリアに対する展望の違いです。関係者の証言によると、リア・ディゾンは出産後、娘の教育環境として母国アメリカでの生活を強く望むようになっていました。一方、日本国内に強固なクリエイティブ基盤を持つBUN氏にとって、活動拠点を海外へ移すことはキャリアの事実上の断念を意味します。「日本で家庭を守ってほしい夫」と「自立して娘を母国で伸び伸びと育てたい妻」の間で生じた価値観の亀裂は、修復不可能なレベルまで拡大していったのです。