戦争終結に向けた意思決定がいかに難航を極めたかは、歴史的名著や映画として知られる『日本のいちばん長い日』でも描かれた通りだ。1945年8月14日から15日にかけての24時間は、まさに国家の存亡を賭けた暗闘の連続であった。連合国からのポツダム宣言受諾要求に対し、軍部の一部はなおも本土決戦を主張し、陸軍省内ではクーデター計画まで浮上していた。
聖断によって辛うじて戦争終結が決定されたものの、その土壇場まで組織内でのコンセンサス形成は不可能に近かった。情報が断絶され、敗北の事実すら国民から隠蔽され続けた結果、幕引きのための対価はあまりにも大きかった。土壇場での決定劇は、危機管理能力を欠いた組織がいかに破滅の寸前まで暴走するかという教訓を今も物語っている。