麓からのシャトルバスを降り、整備された山道を少し下ると、木漏れ日が差し込む急斜面に木製のベンチや階段状の座席が並ぶ。ここが「気場」と呼ばれる最核心エリアだ。周囲には会話を交わす者はおらず、各々が腰を下ろし、深く静かな呼吸に意識を集中させている。時に数時間もの間、動かずに座り続ける者の姿もある。
現地を訪れた30代のソフトウェアエンジニアは、「座って20分ほど過ぎた頃、指先に向かって温かい血液が巡るような感覚とともに、頭の奥の重苦しさが引いていった。都市のオフィスでは絶対に得られない静寂の重みを感じた」と語る。こうした個人の体験談にとどまらず、近年では研究機関による脳波測定や自律神経データの収集など、生理学的なアプローチによる実証実験も水面下で進められている。