世界に目を転じると、公認・非公認を含めた高齢出産の驚くべき記録が存在する。ギネスワールドレコーズにおいて、かつて公式に認定された最高齢出産記録は、2006年にスペインで双子を出産したマリア・デル・カルメン・ボウサダ・ララ氏の「66歳」であった。彼女は米国のクリニックで年齢を偽って卵子提供を受け、体外受精によって子どもを授かったが、出産からわずか3年後に癌で他界した。
非公式記録として世界的な衝撃を与えたのが、インド南東部アンドラプラデシュ州のエラマティ・マンガヤマ氏の事例だ。彼女は2019年、74歳という高齢で双子の女児を出産した。数十年にわたり不妊に悩んだ末、提供卵子と夫の精子を用いた体外受精に踏み切ったという。出産直後、マンガヤマ氏は集中治療室での管理を余儀なくされ、世界中のメディアと生命倫理学者から激しい批判を浴びた。
国際的な医学界では、70歳を超えてからの生殖医療の実施は「無謀な生体実験に近い」と断じられている。こうした海外の極端な事例が断片的に日本へ伝わり、誇張される中で「81歳」という幻の数字へと変異していったと考えるのが自然だ。