奈良県桜井市に鎮座する大神神社(おおみわじんじゃ)は、一般に「日本最古の神社」として最も広く名を知られています。その最大の特徴は、本殿が存在せず、背後にそびえる三輪山(みわやま)そのものをご神体として拝する古代の信仰形態を今に伝えている点にあります。
『古事記』や『日本書紀』には、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が自らの鎮座地として「大和の青垣の山々の中でも、最も美しい三輪山に祀ってほしい」と倭トト日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)らに託した経緯が克明に描かれています。第10代崇神天皇の御代に、疫病を鎮めるために三輪山に神を祀ったことが社殿成立以前の祭祀として記録されています。
境内には本殿がなく、拝殿の奥にある「三ツ鳥居」を通して三輪山に向かって祈りを捧げます。三輪山山中には太古の祭祀遺跡である巨石群「磐座(いわくら)」が点在しており、考古学的にも古墳時代以前からの祈りの場であったことが裏付けられています。神道本来のピュアな姿を体感できる日本最古のパワースポットとして、今なお多くの参拝者が訪れる聖地です。