気象庁は現在、日本国内で111の山を活火山に指定している。そのうち火山防災のために重点的な観測体制が必要とされる50火山には、地震計や傾斜計、GNSS観測装置が張り巡らされ、24時間体制の監視が続く。この選定や見直しの科学的根拠を担っているのが、専門家で構成される火山噴火予知連絡会だ。
活動の高まりに応じて発表されるのが「噴火警戒レベル」である。レベル1の「活火山であることに留意」から、居住地域に重大な被害が及ぶレベル5の「避難」まで5段階で区分される。だが、数字の段階的な上昇を待ってから行動するのでは遅い。微小な前兆現象から瞬く間に水蒸気爆発へ至る突発型噴火では、レベルの引き上げが事象発生に追いつかない現実がある。警戒レベルは安全の保証書ではなく、リスクが可視化された最低限の指標に過ぎない。