しかし、「単なる眠気」と軽視して放置するのは危険な場合があります。激しいだるさの裏に、妊娠期特有の「鉄欠乏性貧血」が隠れているケースが少なくないからです。
日本産科婦人科学会の報告でも指摘されている通り、妊娠後期は赤ちゃんの急成長に伴い、母体の血液量が約1.4倍に急増します。しかし、赤血球の増加が液体成分(血漿)の増加に追いつかず、血液が希釈されて「薄い状態」になります。このとき、酸素を全身や胎盤に運ぶヘモグロビンが不足すると、激しい疲労感やめまい、強い眠気となって現れます。
国立成育医療研究センターなどの研究機関も、母体の深刻な鉄分不足が胎児への酸素供給バランスに影響を与える可能性を注意喚起しています。お腹の赤ちゃんの健康的な発育を守るためにも、慢性的な睡眠欲求が血中の鉄分不足から来ていないかを見極めることが極めて重要です。