「ピーラーを使うと人参の旨味が逃げる」という説を聞いたことがあるかもしれない。果たしてこの噂の真相はどうなのか。都内の有名レストランで腕を振るうシェフに直接話を聞いた。
シェフによれば、問題なのは道具ではなく「刃を立てる角度」にあるという。強く押し当てて表面を潰すように削ると水分が流出するが、刃を寝かせて表面の極薄い層だけを撫でるように削れば、細胞を傷つけず旨味を閉じ込められる。
正しいやり方を身につければ、包丁で剥くよりもむしろ断面が滑らかになり、ドレッシングや出汁の絡みも良くなる。プロの現場でも、用途に応じて積極的にピーラーが採用されているのが実情だ。