コムスン問題でグループ全体への社会的信用が地に堕ちる中、本業である日雇い派遣のグッドウィル本体にも司直と監督官庁のメスが入りました。明るみに出たのは、労働者派遣法で明確に禁じられている「港湾運送業務」「建設業務」「警備業務」への違法派遣、さらには派遣先が別の企業へ労働者を横流しする「二重派遣」の横行でした。
当時の報道各社や労働組合の調査によると、現場では「モップ隊」と呼ばれる作業服を着た登録スタッフが、安全管理も十分でない港湾荷役や解体工事の現場へ送り込まれていました。違法性を隠蔽するため、契約書面を「業務委託」や「軽作業」と偽装する手口がマニュアル化されていた事実も東京労働局の立ち入り調査で特定されています。
さらに労働者の怒りに火をつけたのが、給与から一律200円が差し引かれていた「データ装備費」問題です。会社側は「携帯電話等による勤務連絡システムの維持費」と主張しましたが、実質的には労働者へのピンハネ(不当な中間搾取)であると認定され、日本全国の元登録スタッフから返還請求訴訟が頻発しました。2008年1月、東京労働局から全店舗への事業停止命令が下され、メガバンクをはじめとする金融機関からの信用供与が完全停止。事業継続は不可能となり、2008年6月、グッドウィルは事業廃止届を提出し、完全廃業へ追い込まれました。