西洋の王冠や宝剣が開かれた博物館で展示され、権威の可視化を目的とするのに対し、日本の三種の神器は「徹底的に隠す」ことで神聖さを保ち続けてきた。皇室の宮中祭祀においても、神体そのものを見ることは禁じられており、無の空間に宿る絶対的な存在として敬われてきたのである。
見ることで所有し消費する現代社会において、「見ないこと」を尊び、箱の向こう側に広がる神話的記憶を継承していく態度は、きわめて日本的な美意識と言える。草薙剣の実物が目に見える形で作動することはない。しかし、人々がその存在を信じ、語り継ぐ限り、秘宝は歴史の闇の中で永遠にその刃を輝かせ続けるのだ。 (出典: 草薙 の 剣 実物(Yahoo!ニュース))