なぜ、違法と知りながら「raw」を検索してしまうのか。そこには現代特有の「承認欲求」と「機会損失への恐怖(FOMO)」が潜んでいる。
SNSでトレンドを追いかける若者たちにとって、最新話の情報を誰よりも早く手に入れ、考察を投稿することは一種のステータスとなっている。月曜日の公式発売日に読んだのでは「遅すぎる」のだ。木曜日のリーク段階で盛り上がるコミュニティに取り残されたくないという焦燥感が、違法行為への心理的ハードルを下げている。
だが、この「早食い」のような消費スタイルは、作品本来の面白さを損なう行為に他ならない。ノイズ混じりの低画質な画像で、対価も支払わずに消費される物語。それは、作者である尾田栄一郎氏が心血を注いで描いたアートに対する、最大の冒涜と言えるのではないか。