理論値やスペックシートがどれほど優秀でも、実生活で使えなければ意味がない。そこで、平日の夕方、世界で最も騒がしい場所の一つである東京・渋谷のスクランブル交差点で実機テストを敢行した。大型ビジョンの大音量広告、行き交う人々の話し声、車のクラクションが入り乱れる混沌とした空間だ。
最新のフラッグシップモデルを耳に装着し、キャンセリングを起動した瞬間、まるで水中に潜ったかのような錯覚に陥った。周囲の喧騒は一瞬にして遠のき、目の前を歩く人々の口の動きだけがサイレント映画のように映る。完全に音が消えるわけではないが、耳障りな高周波や重低音のロードノイズはほぼ完璧にカットされ、自分の呼吸音と再生している音楽だけがクリアに響いていた。