本作を語る上で絶対に外せないのが、毛利小五郎の活躍だ。普段はコナン(工藤新一)の陰に隠れ、麻酔針で眠らされている彼が、この映画では自らの足と頭脳で真相にたどり着く。しかも、彼が真相に気づいた理由は「犯人が妻の妃英理に似ていたから、無実を証明したかった」という、あまりにも切なく人間味に溢れたものだった。
この泥臭くも純粋な動機が、タイパやコスパを重視しがちな現代の視聴者の胸に深く刺さっている。完璧なヒーローではない小五郎だからこそ、彼が放つ一言一言に重みがあり、クライマックスの対峙シーンは涙なしには見られない。