ラミレス体制における最大の功績の一つが、後のメジャーリーガーとなる筒香嘉智の育成と覚醒です。監督就任直後、指揮官は筒香をキャプテンに指名し、「どんなに不調でも4番から外さない」と公言して全幅の信頼を寄せました。
その期待に応えるように、2016年の筒香は打率.322、44本塁打、110打点を記録して本塁打王と打点王の二冠を獲得。球界を代表するスラッガーへと急成長を遂げました。精神的支柱としての自覚を促し、重圧を力に変えさせた指揮官の人心掌握術が結実した瞬間でした。
育成の手腕は筒香だけにとどまりません。首位打者に輝いた宮﨑敏郎の一本立ちや、無名に近かった佐野恵太を主将・4番に大抜擢して首位打者へと育て上げた眼力など、選手の隠れたポテンシャルを見抜き、適材適所で開花させる能力は球界屈指のものでした。