毎朝何気なく流れてくるラジオ第1の放送ですが、その裏側には驚くべき職人技が隠されています。実は、東京・渋谷のNHK放送センターのスタジオから届けられる朝6時30分のラジオ体操は、一部の地方巡回中継を除き、毎朝完全な生放送で進行されています。
ブース内には指導員1名とピアノ伴奏者1名が入り、ガラス越しにディレクターと秒単位のサインを交わしながら進行します。番組枠は10分間ちょうど。季節の挨拶や全国の天候に触れるオープニングトークの長さに応じて、ピアノ伴奏者はリアルタイムで演奏テンポを1〜2拍単位で微調整し、きっかり6時40分00秒に体操とエンディングをピタリと収める驚異的な演奏技術を発揮しています。
また、テレビ放送で模範演技を披露するアシスタント陣は、全国数万人の指導員の中から選ばれた日本体育大学等の出身者を中心とする身体のスペシャリストたちです。映像を仔細に見ると、指先の角度、視線の位置、つま先の向きに至るまで一切のブレがありません。現場の指導関係者は「正しいフォームで行って初めて、筋肉を本来の可動域まで安全に伸ばすことができる。適当に腕を振り回すだけでは効果が半減するだけでなく、関節を痛める原因にもなる」と警鐘を鳴らします。