ライトノベル(Light Novel)とは、主に「アニメ調のキャラクターイラストを表紙・挿絵に採用し、テンポの良い会話劇や平易な文体で描かれる大衆娯楽小説」を指します。英語圏の文学用語ではなく、1990年代初頭のパソコン通信コミュニティで誕生した和製英語です。
出版業界や読者の間で長年議論されてきたライトノベルと一般小説の違いですが、文章の構造や装丁において以下のような明確な特徴が見られます。
第一に、ビジュアルとテキストの有機的な融合です。一般的な文芸書が文字情報のみで情景や心情を伝えるのに対し、ライトノベルは巻頭のカラー口絵や作中のモノクロ挿絵を通じて、キャラクターのビジュアルや劇的な名場面を直感的に共有します。
第二に、文体と可読性(リーダビリティ)の追求が挙げられます。一人称視点(「俺」「私」)を巧みに用いた軽快な語り口、漢字とひらがなのバランス、適度な改行と会話文の多用により、読者がストレスなく物語の世界没入できる工夫が凝らされています。
もっとも、出版現場における最も実質的な識別基準は「刊行されている文庫・単行本のレーベル」です。出版社がライトノベル系レーベルから出せばラノベ、文芸単行本や一般文庫から出せば一般小説として流通します。近年では『ビブリア古書堂の事件手帖』や『君の膵臓をたべたい』のように、ラノベと一般文芸の中間に位置する「キャラクター文芸」も広く定着しており、両者の境界線はよりシームレスになっています。