犬と猫の対面において、もっとも避けるべきなのは「挨拶させようとしていきなり直接抱っこで近づけること」です。パニックを起こした猫が犬の顔面を引っ掻いてトラウマを植え付けたり、興奮した犬が猫を追いかけ回して獲物としてロックオンしてしまったりする事故は、初日の不用意な接触から発生しています。
同居を成功に導くための標準的な犬と猫の仲良くなるステップは、以下の5段階に分かれます。
- 完全隔離と匂いの交換(1〜7日目):別々の部屋に完全に隔離し、姿は見せません。互いが使ったタオルやベッドを交換し、「この匂いがすると良いことがある」と学習させるため、匂いを嗅がせながら好物のおやつを与えます。
- 部屋の入れ替え・空間認識(4〜10日目):犬と猫を一時的に別の部屋へ移動させ、相手の匂いが充満した部屋を自由に探索させます。これにより、相手の気配に警戒心を抱かなくなります。
- ケージ・ゲート越しの視覚的対面(1〜2週間後):犬をリードで制御するかケージに入れた状態で、ドアを少し開けるかペットゲート越しに初めて姿を見せます。犬が興奮して吠えたら即座に視界を遮り、落ち着いたら褒めて報酬を与えます。
- リード付きでの同室フリー対面(2〜4週間後):犬にリードをつけた状態で、猫が自由に出入りできる部屋で対面させます。猫が逃げ込める「高いキャットタワー」や「犬が入れない部屋」を必ず確保します。
- 完全フリーでの短時間同居(1ヶ月以降):飼い主の監視下でリードを外し、日常を過ごさせます。時間を10分、30分、半日と徐々に延ばしていき、問題がないことを確認します。
この過程で確保すべき犬と猫のケージ隔離期間は最低でも1〜2週間、神経質な個体の場合は1ヶ月以上かけるのが鉄則です。焦りは最大の禁物であり、歩み寄りは常にペースの遅い方(多くは猫側)に合わせる必要があります。