1998年のプロ野球界を席巻したのが、権藤博監督率いる横浜ベイスターズでした。前年まで2位と力をつけつつあったチームを託された権藤監督は、就任初年度からチームカラーを一変させます。79勝56敗1分の成績でセ・リーグを制すると、日本シリーズでも西武ライオンズを4勝2敗で撃破。実に38年ぶりとなる悲願の日本一を達成しました。
この快進撃を支えたのが、どこからでも連打が飛び出す「マシンガン打線」です。権藤監督は選手たちにバントをほとんど命じず、「打てる球を思い切り打て」と積極的な打撃を奨励しました。1番・石井琢朗、2番・波留敏夫、3番・鈴木尚典、4番・ローズ、5番・駒田徳広、6番・佐伯貴弘、7番・進藤達哉、8番・谷繁元信と並ぶ打線は、相手投手に息つく暇も与えない圧倒的な破壊力を誇りました。
采配の妙として称えられた「権藤マジック」ですが、指揮官本人は「マジックなど存在しない。選手たちが自分の頭で考えて動いた結果だ」と語っています。選手個々の能力を極限まで信じ、グラウンド上で力を発揮できる環境を整え続けたことこそが、最大の勝因でした。