日本プロ野球界を代表する名遊撃手として一時代を築いた坂本選手がサードへ転向した背景には、フィジカル面への配慮とチーム戦術の両面から綿密に計算された理由が存在します。
ショートというポジションは、内野手の中で最も守備範囲が広く、前後左右への激しいフットワークと深い位置からの強い送球が毎イニング要求されます。長年の蓄積疲労による下半身の張りを抱えていた坂本選手にとって、ショートを守り続けることは打撃へのエネルギー消費と故障リスクを常に高める要因となっていました。
サード転向によって横方向の極端な長距離ダッシュが減少し、持ち前の卓越したハンドリング技術と強肩を生かしたスローイングに集中できる環境が整いました。守備力評価の客観指標(UZRなど)を見ても、三塁転向後の坂本選手はポジショニングの巧手さと安定したグラブ捌きでトップクラスの数値を記録しており、三塁手としての守備力も球界屈指の高評価を獲得しています。