この潮流の震源地を辿ると、一人の料理人の革新的な着眼点に行き着く。福岡発祥の大人気ベーカリー「AMAM DACOTAN」を手掛け、一躍その名を轟かせたシェフの平子良太氏だ。彼が率いる株式会社peace putが2026年に立ち上げた専門店「I'm donut ?」は、従来のドーナツ=ジャンクフードという固定観念を完全に破壊した。
平子氏が持ち込んだのは、パン作りの高度な発酵技術とレストラン料理人の繊細な味覚設計の融合である。惣菜パンの具材探求で培われた自由な発想を、甘い円形の生地へと落とし込んだ。このアプローチが、長年停滞していたベーカリースイーツ市場に巨大な地殻変動をもたらす。
パン屋でもなく洋菓子店でもない、独立したクラフトフードとしての立ち位置。株式会社peace putが提示したこのフォーマットは、職人たちのクリエイティビティを刺激し、瞬く間に全国の腕利きシェフたちが追随する新カテゴリーを創出した。