無料コード検索サイトの普及により、誰もが瞬時にコード進行を把握できるようになった現代ですが、そこには「ローコード一辺倒の落とし穴」が存在します。検索サービスで表示される「初心者向け簡単コード」は、押さえやすさを最優先しているため、楽曲本来のテンション感やアレンジ意図が削ぎ落とされているケースが珍しくありません。
典型的な誤解が、「カポタストを装着してCコードを弾けば原曲と同じ響きになる」という思い込みです。確かに調性(ピッチ)は一致しますが、原曲で永井聖一氏が多用しているのは、フェンダー・ジャガー等のシングルコイルピックアップ特有の立ち上がりを活かした、ハイポジションでのシャープなコードボイシングです。
例えば、原曲のE♭コードの箇所を、単なるローコードで平坦に弾くのではなく、2弦8フレット・3弦8フレット・4弦8フレットといったハイポジションの省略フォームで押さえ、不要な開放弦を完全にミュートしてアタック音を強調する。この「鳴らさない弦を完全に制御する意識」こそが、ネット上の簡易スコアからは読み取れない最大の盲点です。