かつて旅客列車が停車していた竜飛海底駅は、2014年3月に正式に鉄道駅としての営業を終了しました。しかし、駅名標が外された現在も、この空間は完全に閉鎖されたわけではありません。JR北海道の管理下において「竜飛定点(たっぴていてん)」と名称を変え、青函トンネル内における最重要の防災・保守拠点として維持されています。
竜飛定点の主要な任務は「緊急避難所」です。全長約53.85キロメートルに及ぶ長大な青函トンネル内で列車火災や急病人が発生した際、乗客を安全に誘導し、地上へと脱出させるための設備が整っています。内部には数百人を収容できる避難誘導所、大型排煙ファン、地上と連絡する通信設備が張り巡らされており、普段は無人ながら24時間体制で遠隔監視が続けられています。
また、超高圧の湧水を汲み上げる排水ポンプやトンネル内の線路保守を行う作業基地としても機能しており、北海道と本州を結ぶ鉄路の安全を水面下で支え続けています。