前年までの覇者、ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)の戦いもまた、観客の涙を誘った。春先のイツリア・バスク・カントリーでの大クラッシュにより、肺気胸や肋骨骨折という重傷を負ったヴィンゲゴー。一時はツールの出場すら絶望視されていた。
しかし、彼はスタートラインに立った。第11ステージではポガチャルとの直接対決を制して奇跡的なステージ優勝を遂げ、復活の叫びをあげた。結果として総合2位に終わったものの、満身創痍の体で王者ポガチャルに喰らいつき続けた男の意地と誇りは、レース全体の緊迫感を最高潮へと引き上げた。