橋下家の教育を語る上で欠かせないのが、高校時代からの同級生であり、苦楽を共にしてきた妻・典子さんの存在です。7人の子供を育て上げる過程において、家庭内の実権は完全に典子さんが握っていたと橋下氏は公言しています。
政治家時代、激務と警備上のリスクに晒される中で家庭を守り抜いたのは典子さんでした。橋下氏は「家庭内の教育方針については妻が決定権を持ち、自分はスポンサー兼相談役に過ぎない」と謙虚に語りつつも、夫婦で共有してきた確固たる教育哲学があります。
その筆頭が「自立の徹底と資産の不継承」です。橋下氏は複数の著書やインタビューで次のように語っています。
「子供たちには『親の遺産は1円も残さない。全額使い切るか寄付する』と伝えている。大学までの教育費は親の責任として工面するが、社会に出たら自分の稼ぎだけで生きていかなければならない」
このリアリズムに基づいた教育方針は、甘えを許さない一方で、子供たちに「自分の力で生き抜く覚悟」を植え付ける結果となりました。
また、テレビで見せる強固な姿勢とは裏腹に、家庭内では思春期の娘たちから「クソジジイ」と呼ばれたり、LINEをブロックされたりといった、世間一般的な父親と同じ悩みを抱えていたエピソードも本人の口からユーモラスに語られています。完璧な父親を演じるのではなく、不器用ながらも体当たりで子供たちと向き合ってきた人間味が、家族の強固な絆を形作っています。